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2024年5月8日(水)

軍需産業参入を想定

経済秘密保護法案 参考人が指摘

参院内閣委で井上議員質問

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(写真)答弁する井原聰東北大名誉教授=7日、参院内閣委

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(写真)答弁する齋藤裕弁護士=7日、参院内閣委

 経済秘密保護法案の参考人質疑が7日、参院内閣委員会で行われました。井原聰東北大名誉教授は「政府がセキュリティー・クリアランス(SC、適性評価)制度を軍事とは関係ないと、ことさら強調することに警戒心を持たざるを得ない」と批判。政府の有識者会議の報告では、軍需産業への参入を希望する企業からSCを求める声が上がっていると指摘しました。(参考人の陳述要旨)

 日本共産党の井上哲士議員は、井原氏の陳述に触れながら、経団連が同法案の早期成立を求める文書で「軍事転用可能な民生技術の獲得競争」の激化や「企業の国際共同研究・開発等に参加する機会を拡大することに資する」との理由を挙げていると指摘し、「SCが必要とされる国際的な共同研究・開発とは軍需産業への参入を想定しているものなのか」と質問。原一郎経団連常務理事は「ご指摘の点も含まれる」と認めました。

 井上氏は、2011年の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で米国からSC制度導入が求められて以降、軍事分野でのSC導入の圧力が続いてきたことについて質問。井原氏は、日米首脳会談で兵器の日米共同開発が宣言されるなど、「軍事研究に日本の研究力を取り込もうとしているのは明らかだ」と答えました。

 井上氏は、SCのための照会にともない本人が知らないうちに情報収集され監視の対象になる危険性を指摘。弁護士の齋藤裕氏は、法案は重要経済安保情報の保護以外の個人情報の目的外利用を禁じる規定にすぎず、「警察や公安調査庁がSCで得た情報の目的外利用を禁止するタガがゆるい」と述べました。


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