2024年4月27日(土)
輸入依存 国産軽視
農基法改定案審議入り 紙氏が追及
参院本会議
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農政の基本方針を定める食料・農業・農村基本法改定案が26日の参院本会議で審議入りしました。日本共産党の紙智子議員は「今後の日本の農政の方向を決める重要な法案だ」として、徹底審議を求めました。
紙氏は、1999年の基本法が食料自給率の向上を定めたのに、自給率目標は一度も達成されず38%に低下する一方、米国や財政審議会が自給率を上げることを攻撃し続け、輸入の自由化を進めたことを挙げ、「米国の圧力と政府の経済財政政策が自給率を低下させたのではないか」と追及。改定案で自給率向上を抽象的な表現に変える一方、「安定的な輸入」に依存する条文となっているとして、「輸入を重視し、国内生産の増大を軽視するのではないか」と批判しました。
岸田首相は食料自給率について、消費面の変化が「目標未達の主因だ」と強弁。「この20年間の自給率低下にFTA(自由貿易協定)等による影響は大きくない」と居直りました。
「『米作って飯食えない』という叫びが出て当然だ」―。紙氏は稲作農家の1時間当たりの農業所得が2年連続で10円となっていることを挙げ、「これで生活できると思うか」と迫りました。
農家の米生産を制限する一方、政府は毎年77万トンものミニマムアクセス(MA)米の輸入を続けています。紙氏はMA米の赤字が累積で6000億円を上回るとして、「この赤字をどう解消するのか。税金は生産者の所得を増やすために使うべきだ」と主張。いま必要なのは、生産者の再生産を保障する「直接支払い」に踏み出すことだと強調しました。(質問要旨)