2024年4月24日(水)
2024年問題 課題は運転者の賃上げ
参考人 荷物滞る問題でない
参院国交委で吉良議員質問
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参院国土交通委員会は23日、「物流の2024年問題」への対応として、荷主や物流業者への規制を盛り込んだ「流通業務総合効率化法」「貨物自動車運送事業法」両改定案について参考人質疑を行いました。
全日本建設交運一般労働組合の足立浩・中央副執行委員長は意見陳述で、「1990年の物流2法により30年間続いてきた規制緩和路線から、規制強化へむけた一歩だ」と指摘。「荷主への規制や多重下請け構造是正の実効性の確保をいかに図るかが必要だ」と語りました。
「24年問題の課題」は荷物が滞る問題でなく、運転者の働くルールを定めた改善基準告示や時間外労働上限規制の順守、商慣習を抜本的に改革し運賃とトラック運転者の賃金を大幅に引き上げることだと主張。▽事業者に義務付ける中長期計画作成や定期報告を圧倒的多数の中小零細業者にも課す▽多重下請け構造を改善するための実運送体制管理簿に、事業者が受け取る運賃や下請け業者が受け取る手数料も明記する―ことなどを要求しました。
さらに、(1)産業別最低賃金の確立(2)トラック運転者の労働時間等の管理(3)営業区域制の復活―を訴えました。
日本共産党の吉良よし子議員は、「24年問題」が「物が運べない問題」として受け取られ、トラック運転者だけに責任・任務を負わせる議論や施策になることは「許されない」と質問。足立氏は「労働時間を短くし働きがいのある産業にすること」が課題だと強調しました。