2024年4月21日(日)
子ども・子育て支援法改定案
高橋議員の反対討論
衆院本会議
日本共産党の高橋千鶴子議員が19日、衆院本会議で行った子ども・子育て支援法改定案に対する反対討論の要旨は次の通りです。
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政府は、2030年までが少子化傾向を反転させるラストチャンスとし、「加速化プラン」に3年間で3兆6000億円をあてるとしました。しかし、本当に危機感があるのなら、「実質負担増はない」との、まやかしの説明をやめるべきです。
反対の最大の理由は財源問題です。「子ども・子育て支援金」の財源を医療保険料に上乗せして徴収するとしますが、社会保険はもともと逆進性が高く、保険者や市町村によって負担に差があり、支援金を上乗せすれば格差が広がることになります。予算委員会中央公聴会、地域・こども・デジタル特別委員会の参考人質疑でも、複数の陳述人から厳しく指摘されました。
政府は、歳出改革によって公費を削減し、その範囲で支援金を徴収するので負担増にはならないと繰り返してきました。しかし、質疑の中で(1)改革工程表の項目には負担増となるものもある(2)公費削減は利用者にとって自己負担増に他ならない(3)「実質負担が増えない」とは社会保障負担率という巨視的な数字でしかない―ことを認めました。
「こども誰でも通園制度」について、孤立する子育ての不安に応え、全ての子どもの育ちを応援するという理念は共有します。しかし、その内容は「子育て支援拠点なども新たに教育・保育給付の対象とする」「全国どこでもアプリで空き状況を調べ、直前でも予約ができるシステムをつくる」というもの。保育者の半分は無資格でよく、空き定員の活用型なら保育士を1人も増やさなくてもできます。利便性の名のもと、子どもの利益より保護者の都合を優先するものと言わざるをえません。保育士の処遇改善と配置基準の抜本改善は待ったなしです。公的保育の拡充でこそ、誰でも通園の土台をつくることができます。
失われた30年、日本は労働法制の相次ぐ改悪により不安定雇用と長時間労働の中に若者を置いてきました。結婚や子育てに希望をもてないだけではなく、社会保障の担い手を掘り崩してきたのは政治の責任そのものです。
社会保障の抑制と支援金で国民に負担を押し付け、それ以外の予算のやりくりは防衛力強化のためにという政府には未来を託せません。子どもや子育て支援を予算の真ん中に据え、大企業や富裕層に応分の負担を求める税制の見直しと、戦争準備の大軍拡をやめ、軍事費の削減で財源を確保するべきです。