2024年4月20日(土)
表現の自由への萎縮
宮本岳志氏の質問に参考人
衆院総務委
プロバイダ責任制限法改正案の参考人質疑が16日の衆院総務委員会で行われ、日本共産党の宮本岳志議員が質疑に立ちました。
同案は誹謗(ひぼう)中傷などの違法・有害情報に対処するための措置を、SNS等を運営する大規模プラットフォーム事業者に求めるもの。
宮本氏は「一番の論点は表現の自由と被害救済」とし、改正案について「参考人からはバランスの取れたものと話があった」と述べた上で、被害の届け出があれば権利侵害性の有無を確認せず投稿を即時削除するよう事業者に求める声に対し、法案検討過程の「とりまとめ」が指摘した問題点について質問。検討過程に関わった虎ノ門南法律事務所の上沼紫野弁護士は「同法は権利侵害情報一般に関わる。名誉毀損(きそん)等は公的機関に対するものも含まれ直ちに削除するのは表現の自由への萎縮効果をもたらす」と説明しました。
宮本氏は、事業者が自主的に定めたルールを守らない場合、勧告や命令に加え罰則を科す今回の改正について質問。龍谷大学法学部の金尚均(キム・サンギュン)教授は「拘禁刑を含む罰則を定め、立法者の強い意志を見る」としながら「自らつくったルールに対する違反であって、罰金の額も含め非常に慎重を期した法案だ」と述べました。
宮本氏が「アテンションエコノミーなどインターネット特有の問題こそ対処しなければならない」と述べ意見を求めると、国際大学グロバールコミュニケーションセンターの山口真一准教授は、過激なコンテンツで注目を集め金もうけをするものだと説明。「誰もが参入できるようになり、偽の救助要請などが投稿され混乱が生じた」「偽・誤情報を公開しているウェブサイトへの広告収入の停止などさまざまな対策の積み重ねが今後求められる」と述べました。