2024年4月17日(水)
開発の規制が必要
生物多様性の保全 山下氏が提起
参院環境委
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参院環境委員会は11日、政府が企業などの生物多様性増進のための「自然共生サイト」計画を認定する地域生物多様性増進活動促進法案を日本共産党などの賛成多数で可決しました。日本共産党の山下芳生議員は質疑で、生物多様性の保全には開発の規制が必要だと提起しました。
山下氏は沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設や山口県上関町での原発関連施設のための埋め立て、広島県竹原市の「ハチの干潟」での液化天然ガス(LNG)基地建設を取り上げ、いずれも環境省によって生物多様性を保全する上で重要な海域等に指定されていると指摘し「保全すべきだ」と迫りました。
伊藤信太郎環境相は「事業者の適切な環境配慮に期待する」と答弁。山下氏は「まるで人ごとだ。ネーチャーポジティブ(自然再興)というなら、真っ先に保護すべきだ」と主張し、東京都の神宮外苑や大阪市(公園の樹木や街路樹計1万9千本)などの都市の生物多様性上重要な樹木の伐採計画もやめさせるべきだと迫りました。
また山下氏は、北海道石狩市で東急不動産が巨大な風車を15基建設する事業の住民向け資料には「自然共生サイトへの申請」をするとあるが、「開発を行いながら免罪符にしようとしている。グリーンウォッシュ(見せかけの環境対策)ではないか」と追及。環境省の白石隆夫自然環境局長は「見せかけの効果をうたう事業は認定しない運用とする」と答弁しました。
山下氏は、生物多様性保全のため、2030年までに陸域と海域の30%を保護地域とする「30by30(サーティー・バイ・サーティー)」に関わって、「国土の7割を占める森林で、持続可能な森林づくりである自伐型林業などの取り組みと連動し、登録の拡大に努めるべきだ」と要求しました。