2024年4月17日(水)
利用制限・排除を懸念
生活困窮者自立支援法等改定案 倉林氏が反対討論
参院委可決
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生活保護世帯への居住支援、家計改善、就労支援の強化などをうたう生活困窮者自立支援法等改定案が16日の参院厚生労働委員会で、自民、公明、立民、維新、国民、無所属の賛成で可決されました。日本共産党、れいわは反対しました。
日本共産党の倉林明子議員は反対討論で、改定案が生活保護の医療扶助について、都道府県がデータ分析を行い、市町村に情報提供を行う仕組みを設けていると指摘。医療扶助の「適正化」を目的に「医療扶助費削減のために、生活保護利用者の受診を不当に制限する権利侵害につながりかねない」と批判しました。
生活保護利用者に対する就労準備支援事業、家計改善支援事業の法定化は「生活保護制度から利用者を排除する手段につながる」と懸念を表明しました。
また、住民を生活保護制度から排除している群馬県桐生市の生活保護の違法運用、人権侵害行為が参考人質疑で告発されたと指摘。「法定化の前に、全国の自治体で家計支援、就労支援などを名目にした人権侵害、利用制限が行われていないか検証し、不法・不適切な行為を是正すべきだ」と主張しました。
さらに、同改定案は「居住支援の強化」を打ち出しながら、「住まいの貧困」を解消する抜本的な対策はありません。倉林氏は、単身高齢者にとどまらず、低年金に苦しむ女性、ひとり親世帯、学生など「住まいの貧困」はより深刻さを増していると強調。家賃補助制度の創設を急ぎ、公営住宅を抜本的に充実することなどを求め、「住まいは人権」の立場での政策転換を主張しました。