2024年4月10日(水)
戦闘機輸出 紛争助長
戦闘地域判断の矛盾突く
衆院委で赤嶺氏
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日本共産党の赤嶺政賢議員は9日の衆院安全保障委員会で、政府が「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定し、殺傷能力のある兵器の輸出を可能にした問題をめぐり、「現に戦闘が行われていると判断される国」には輸出しないとする政府の説明の矛盾を追及しました。
同指針の改定を受け、政府は米国への地対空誘導弾パトリオットの輸出を決定しています。赤嶺氏は米国が2001年の9・11テロ以降、世界各地で空爆を繰り返しており、「なぜ現に戦闘が行われていないと言えるのか。根拠を示すべきだ」と追及しました。
木原稔防衛相は「仕向け国(輸出相手国)において戦闘が行われているか否かに関わる規定だ」と述べ、米国の領域内で戦闘が行われていないことが判断基準だとの見解を示しました。赤嶺氏は「米国が領域外で国連憲章違反の空爆をしても、戦闘はしていないというのは、あまりにもひどい認識だ」と批判しました。
赤嶺氏は、英国・イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国への輸出について質問。岸田文雄首相が戦闘機を「迎撃用兵器だ」と強調していることについて次期戦闘機の開発を担う三菱重工は「マルチロール(多任務)機」だと説明していると指摘しました。防衛省の弓削州司・大臣官房審議官は、マルチロール機とは対空・対艦・対地を備えた戦闘機であり、次期戦闘機もマルチロール機として開発すると答弁しました。
赤嶺氏は、防衛省は保有する全ての戦闘機に敵基地攻撃に使用する長射程ミサイルを搭載する計画だと指摘。「そうなれば輸出先の国で他国攻撃に使用される危険はいっそう高まり、国際紛争を助長することになる」と批判し、戦闘機輸出はやめるべきだと強調しました。