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2024年4月6日(土)

再エネ廃棄 750億円分見込む 24年度

原発・火発推進の岸田政権

岩渕議員質疑で判明

電力大手9社

 再生可能エネルギーの電気の買い取りを電力大手が一方的に停止する「出力抑制」が2024年度に前年度比で1・4倍、家庭の平均電力料金に換算して750億円分に上ることが、日本共産党の岩渕友議員の国会質疑(2日、参院経済産業委員会)で明らかになりました。岸田政権は原子力発電を推進し、石炭火力発電を延命させています。同政策が再生可能エネルギーの普及に障壁を作り出しています。


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(写真)質問する岩渕友議員=2日、参院経産委

 電力大手は、地域の再エネ事業者が発電した電気を買い取り、市場に卸しています。電力大手による出力抑制は政府の「優先給電ルール」に基づき無制限・無補償で行われ、再エネの電気を無駄に捨てています。

 岩渕氏の質問に、資源エネルギー庁の井上博雄新エネルギー・省エネルギー部長は、23年4月~24年1月には東京電力の管轄地域を除く9社の管轄地域で出力抑制が実施されたと答弁。抑制量は前年同時期と比べて約7倍に急増し、増加幅が最も大きかった中国電力の地域は15・7倍でした。抑制量の最多は九州電力の地域でした。24年度については、合計24億2000万キロワット時(750億円分)の見込みだとしました。

 政府の原発推進政策のもと、電力大手は原発の出力を抑制した実績がありません。中国電力は24年度に抑制量が急増する原因として島根原発の再稼働があるとしています。岩渕氏の質問に対し、原発再稼働が再エネ普及の障害であると認めた形です。

 火発の出力抑制については、政府の対策は出力を50%から30%に引き下げる「お願い」にとどめています。既存の発電所には「技術的に(抑制は)困難だ」(斎藤健経済産業相)と開き直っています。東電と関西電力の両地域では火発の出力が50%を超過した発電所が多く、効果は見込めていません。

 電力大手は今後も再エネの出力抑制を増加する方針です。北海道電力と東北電力の両地域では有効な対策を取らなければ30年に抑制率が50%を超える見通しです。岩渕氏は再エネ事業者が見通しを持てないとして、営農型太陽光発電に取り組む福島県農民連では出力抑制による損失金額が23年に50万円を超えたと告発。「原発事故の被害が続くもとでも復興に尽力してきたのに」と怒りの声を紹介し、出力抑制への補償を求めましたが、斎藤経産相は「国民負担は妥当ではない」と背を向けました。

 深刻化する気候危機への対策は急務です。各国は再エネの主力電源化を進め、30年の電源構成目標に再エネが占める割合を80%(ドイツ)、72%(イタリア)と高めています。日本の目標は36~38%の低水準です。「再エネの最大限導入、原発ゼロ、石炭火力発電の廃止と化石燃料依存からの脱却が必要です」(岩渕氏)

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