2024年4月4日(木)
農業は公益的使命担う
基本法改定案 田村貴昭氏が明記主張
衆院農水委
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日本共産党の田村貴昭議員は3日の衆院農林水産委員会で、食料・農業・農村基本法改定案をめぐり、農業従事者の確保について質問したのに対し、坂本哲志農水相は「『農業者は減少する』と法文に明記する必要がある」などと答弁しました。
田村氏は、旧基本法1条で「農業及び農業従事者が経済及び社会において果たすべき重要な使命にかんがみ」、「農業従事者が所得を増大して他産業事業者と均衡する生活を営む」と規定していると紹介。「農業は公益的な使命を担うと農業の重要性や役割を改定案に明記すべきだ」と主張しました。
田村氏は、3月の本会議質問で岸田文雄首相が農業従事者減少の原因は人口減少だと答弁したが、「この25年で農業従事者は5割も減った。総理答弁は危機感がない」と批判。農水省は今後20年で120万人から30万人にまで減少するとしているが、基本法の改定で「農業従事者数を増やす計画をつくるのか」とただしました。農水省の杉中淳総括審議官は「今後の農業者の減少は避けられない」などと開き直りました。
法案の条文に政府の責任で「農地の維持」と記述しているが、農業従事者が激減する中、農地面積をどうやって維持するのかとの田村氏の質問に、坂本農水相は「少ない人数でより生産性を高める」と答弁。田村氏は、専業の水田作農業者の平均年収は198万円で月収にすると16万円にすぎず、「人口減少が理由ではなく、農業で生計が立てられなく離農していく。これが真実だ」と強調し、農業の担い手を支える農政転換を同法案に明記するよう求めました。