2024年4月4日(木)
継続的監視の仕組み
経済秘密保護法案 塩川氏が批判
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日本共産党の塩川鉄也議員は3日の衆院内閣委員会で、経済秘密保護法案で秘密を扱う資格者を政府が認定する「セキュリティークリアランス(適性評価)」制度は、機微な個人情報を根こそぎ調べ上げるものだと批判しました。(関連記事)
塩川氏の質問によって、同法案の適性評価は秘密保護法の運用基準を参考にしたものであることが明らかになりました。同法による適性評価では、対象者に回答の提出を求める質問票は30ページにものぼり、海外渡航歴やそううつ病などの精神疾患の治療歴、借金や家賃の滞納状況、クレジットカード停止歴の有無などの経済状況、家族・同居人の国籍(過去含む)など詳細な調査が行われます。上司にも回答を出させるほか、警察などの「公務所」や医療機関などの「公私の団体」に照会し必要な事項を報告させることもできます。
塩川氏は、警察や公安調査庁に照会することは対象者に通知するのかと質問。内閣官房の飯田陽一政策統括官は「本人への通知がなければ本人は知らない」と通知が義務ではないと認めました。
塩川氏は、運用基準では調査後も対象者に秘密漏えいの疑いがあれば事業者に速やかに政府への報告を義務づけるなど、「上司から継続的に監視をされる」「二重三重に調査がかけられる仕組みだ」と批判しました。
塩川氏は「収集された大量の機微な個人情報について削除のルールはあるのか。個人情報が政府にたまり続けていくのではないか」と追及。高市早苗経済安全保障担当相は「適性評価の実施後、10年間は保存しておく」と答弁。塩川氏の警察などでの保存についての質問に、飯田氏は「公文書管理法などに基づき適切に廃棄される」と答弁するにとどまりました。