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2024年4月3日(水)

全機能性表示食品 調査へ

国、制度のあり方検討

衆参委 田村貴昭・倉林氏が廃止要求

 小林製薬(大阪市)の「紅麹(べにこうじ)」を含む機能性表示食品を摂取した人に死亡など重大な健康被害が発覚した問題をめぐり、工藤彰三内閣府副大臣は2日、機能性表示食品制度について「5月末までに制度のあり方の方向性をまとめる」と明らかにしました。衆院農林水産委員会で同制度の廃止を求めた日本共産党の田村貴昭議員に答弁しました。


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(写真)質問する倉林明子議員=2日、参院厚労委

 工藤氏は「全ての届け出食品約7000件について、届け出者に対し健康被害の情報の有無や報告状況などの確認を行った上で消費者庁に回答することを求めた」とし、調査結果を踏まえて制度のあり方を検討するとしました。

 同日、自見英子消費者担当相は、消費者庁に機能性表示食品制度のあり方について検討を進める対策チームを立ち上げたと発表。5月末をめどに取りまとめるとしました。

 機能性表示食品は、事業者が機能性の根拠を添えて消費者庁に届け出れば、機能性を表示して販売できる制度です。田村氏は2015年に制度が導入された際、消費者庁が「届け出後の事後チェックを機能させる」と答弁していたと指摘。「安全性評価を企業任せにするため大規模な健康被害が生じて初めて政府が対応することになった。安全性をないがしろにした制度は廃止すべきだ」と求めました。

 日本共産党の倉林明子議員は同日の参院厚生労働委員会で、17年に対象が拡大された際、健康被害の拡大は必至と消費者団体が警告していたと指摘。「健康を売りにし、信用して購入した人が亡くなった。発覚から公表まで2カ月間を要したことでさらに被害が拡大したのではないか」とただしました。

 倉林氏は、機能性表示食品が生産製造や品質管理の方法は届け出のみで効能・効果を表示できる点をあげ、「機能性、安全性は企業任せで事後の検証も不十分だ。制度の欠陥で起こってはならない事態を招いた責任は重大だ」と強調。武見敬三厚労相は「原因の特定を進め、今後再発防止のための政策が必要かを検討する」と答弁。倉林氏は「機能性表示食品の信頼性が決定的に失われている。なくしていくべきだ」と主張しました。


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