2024年3月29日(金)
“秘密範囲を広げる”
経済秘密保護法案 参考人が批判
衆院内閣委 塩川氏質問
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経済秘密保護法案の参考人質疑が28日、衆院内閣委員会で行われました。同法案は、秘密保護法の「秘密の範囲」を経済分野に拡大。秘密を扱うとされる人が政府の裁量で民間労働者や技術者、研究者などまで飛躍的に広がり、重大な人権侵害を引き起こす懸念があります。
参考人の三宅弘弁護士は「同法案の重要経済安保情報は、秘密保護法の特定秘密との区別があいまいだ」と指摘。「5年以下の拘禁刑または罰金により処罰するのは、罪刑法定主義の観点から問題がある」と述べました。秘密情報を扱う適性評価の対象者は「数十万人に上るのではないか」と述べました。
齋藤裕日弁連副会長は、同法案が秘密保護法と違い、具体的に秘密とされる類型が別表で規定されていないと指摘。罪刑法定主義の観点から「処罰範囲は国会が決めるべきで、市民がその行動について予測可能性を持つことができるようにあくまで明確であるべきだ」と主張しました。
日本共産党の塩川鉄也議員は、政府が秘密保護法の対象を運用見直しで経済分野まで広げようとしていると指摘し、「政府の裁量で勝手に秘密の範囲を広げ、法律によらず罰則の対象を広げるのではないか」と質問。齋藤氏は「秘密保護法の対象は『国民の生命・身体が害される』場合とされてきたが、『国民の生活・経済が害される』場合まで拡大しようというものだ」と批判しました。
塩川氏は、次期戦闘機の共同開発国である英国やイタリアとの関係について「今回の法案は多国間の共同開発の障害を取り除くものとなっているのか」と質問。政府の有識者会議の座長を務めた渡部俊也東京大学未来ビジョン研究センター教授は「他の国のことはよくわからない」と述べるにとどまりました。