2024年3月28日(木)
保険証廃止撤回を
マイナ保険証「緊急時に時間ロス」
衆院特別委 高橋議員
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日本共産党の高橋千鶴子議員は26日の衆院地域・こども・デジタル特別委員会で、政府が災害時に役に立つと宣伝してきたマイナンバーカードは能登半島地震で役に立たなかったとして、現行健康保険証の廃止方針の撤回を要求しました。
高橋氏は、同地震後に同カードでは対応できず、JRから「Suica」が提供された事態への反省点を質問。河野太郎デジタル相は「カードリーダーを備えていなかった」などと弁解しました。
高橋氏は災害時と同様、緊急対応が必要な医療現場では「マイナンバーカードの保険証は時間のロスだ。現行の保険証でよい」との声があると指摘。厚生労働省の内山博之医薬産業振興・医療情報審議官は同カードによる医療情報閲覧の必要はないと認めました。
マイナンバーカード保険証の利用率は4・99%(2月末現在)にすぎず、政府は支援金や診療報酬の加算措置などで利用率向上を図ろうとしています。「12月から事実上の義務化だから、逆に(報酬を)減算するつもりか」との高橋氏の質問に、河野デジタル相は「所管外だ」と答弁。高橋氏は、保険証廃止は河野氏の発言が発端で、厚労省はもともと保険証とマイナ保険証の並行利用が方針だったとして、所管外なら「廃止を撤回せよ」と迫りましたが、河野氏は「12月2日に廃止する」と強弁しました。
高橋氏は、政府の医療DXに賛成の医療関係者でさえ拙速(せっそく)だとの意見があるとして「このような声に耳を傾けるべきだ」と主張しました。