2024年3月24日(日)
共同親権
議論不足 法相認める
参院委で仁比氏 拙速導入やめよ
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日本共産党の仁比聡平議員は22日の参院法務委員会で、離婚後も父母双方が子どもの親権者となる「共同親権」を導入する民法改定案をめぐり、「新たな人権侵害の危険があってはならない」と訴えました。拙速な導入をやめ、子どもの権利を軸に国民的議論を深めるべきだと主張しました。
法務省は、共同親権は「子の利益の実現」のためだとしています。仁比氏が「どのように『子の利益の実現』になるのか」とただすと、小泉龍司法相は「父母双方が離婚後も適切な形で養育に関わることが子の利益を守る」と答弁しました。
仁比氏は、共同親権は「共同して責任を果たそうという父母の関係が前提ではないか」と質問。小泉法相は「父母の合意に基づいて共同親権を選ばなければ共同での行使はできない」と認めました。
しかし、仁比氏が「改定案は『真摯(しんし)な合意』がない父母でも裁判所が共同親権とするかどうかを判断する枠組みではないか」とただすと、法務省の竹内努民事局長は「裁判所は父母の協議が調わない理由などの事情を考慮し、親権者を判断する」と説明しました。
仁比氏は、法制審議会の委員も「DV防止法で被害者の安全を守ることができつつあるのに、それを後戻りさせるのではないか」などの重大な疑義を示しており、「コンセンサス(共通認識)は得られていないのではないか」と指摘。小泉法相は「完璧ではない。これからの議論で補う」と答弁し、議論が尽くされていない実態が浮き彫りになりました。
仁比氏が「肝心なのは子どもの権利と福祉の保障だ」とただすと、こども家庭庁長官官房の野村知司審議官は「子どもの意見表明はこども基本法の基本理念に掲げられ、『こども大綱』にも盛り込んでいる。各種取り組みを進めていきたい」と答弁しました。