2024年3月19日(火)
年金上げる財源ある
倉林氏、運用益の活用求める
厚労相「運用益36兆円」
参院予算委
日本共産党の倉林明子議員は18日、参院予算委員会で、物価高で暮らしていけないとの切実な声や女性の著しい低年金の実態を示し、抜本的な年金の引き上げを迫りました。
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倉林氏は今年の年金改定率が2・7%で、昨年の物価上昇率3・2%を下回っており、「実質の所得は下がっている」と指摘。第2次安倍政権以降の12年間で公的年金の減額が年金約1カ月分に相当し、「消費税率は2倍、介護保険料や国保料の値上げも断続的に続き、実質可処分所得はさらに目減りしている」と強調しました。「月額7万円弱の年金では足りず、痛む膝を引きずりながら仕事を続けている」との高齢女性の声を紹介し、物価高を上回る速やかな再改定を求めました。
再改定に言及しない岸田文雄首相に対し、倉林氏は「活用可能な財源はある」として、2001年以降で累積収益132兆円をあげている年金積立金の運用で、目標を超えた運用益総額を質問。武見敬三厚生労働相は「20~22年度で約36兆円だ」と答えました。倉林氏は「今後の人口減少を踏まえれば積立金の計画的な取り崩しは可能だ」として、目標を上回った収益を速やかに年金受給者に還元して年金を引き上げるよう主張しました。
女性では月額9万~10万円の厚生年金受給者が最も多く(グラフ参照)、国民年金受給者も加えると10万円以下の受給者が全体の85%を占めるなど、「女性の低年金が著しい」と指摘し、世帯単位を前提とした制度の抜本的見直しが必要だと主張。無年金や暮らせない低年金の問題解決のために最低保障年金を導入するよう検討を求めました。岸田首相は多額の税財源などを理由に「難しい」と拒否しました。
倉林氏は「今のままでは年金生活者も女性も置き去りになる」と強調しました。(関連記事)
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