2024年3月15日(金)
共同親権審議入り
本村氏、拙速な動きを批判
衆院本会議
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離婚後も父母双方が子どもの親権者となる「共同親権」を導入する民法改定案が14日の衆院本会議で審議入りし、日本共産党の本村伸子議員が質問に立ちました。
改定案は、離婚時に父母の協議でどちらか一方が親権を持つ現在の「単独親権」か、父母双方に親権を認める「共同親権」かを決める規定を盛り込んでいます。合意できない場合は家庭裁判所が判断します。
本村氏は改定案について、親子関係と家族のあり方に関する戦後民法の根本に関わるとして、「慎重かつ丁寧な議論により、国民的合意をつくることが求められる」と主張しました。
本村氏は「親権」を子どもの権利を中心に捉え直すことや「子どもの最善の利益の実現には、子どもの意見表明権の保障が不可欠であり明記すべきだ」とただしました。
小泉龍司法相は「家裁は親権等に関する事件では、子の意思を把握するよう努め、考慮しなければならない」と述べました。
本村氏は「夫婦間の信頼が失われ破綻し、離婚に至った場合、『共同親権』がかえって子どもの安心・安全・命を損なう懸念がある」「『元配偶者からの支配が続くのではないか』との不安の声にどう答えるのか」と迫りました。小泉法相は「法制審議会では、(共同親権で)子の利益を害する事案もあるとの懸念が示された」と述べるにとどまりました。
改定案はDV(配偶者、恋人などからの暴力)や虐待による場合は、家裁が単独親権を決定するとしています。本村氏は「立証の難しさがあるのではないか」と指摘。深刻な問題点が法制審議会で指摘されたにもかかわらず、政府は法案を提出したとし、「拙速のそしりは免れない。国会審議の前提として8000件超のパブリックコメント(意見公募)を全て明らかにすべきだ」と求めました。