2024年3月13日(水)
社保差し押さえ 最多
保険料軽減・猶予を
参院財金委で小池書記局長
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日本共産党の小池晃書記局長は12日の参院財政金融委員会で、中小企業や中堅企業が社会保険料を払いきれずに倒産する“社保倒産”が各地で起きているとして、「社会保険料の負担軽減、納付猶予で企業の存続を図るべきだ」と求めました。
小池氏は2月に岩手県内で2番目の事業規模のタクシー会社が社会保険料滞納による差し押さえで倒産し、従業員85人全員が解雇されたと指摘。厚生労働省の巽(たつみ)慎一年金管理審議官は、昨年12月時点で2023年度の差し押さえ事業者は3万4000件にのぼると答えました。
小池氏は「差し押さえ件数は過去最多だ」と指摘。中小企業はコロナや物価高、インボイス(適格請求書)などの新たな負担で苦境に追い込まれており、「差し押さえありきではなく、実情をつかみ、丁寧に対応すべきだ」と主張しました。
事業の継続を困難にするおそれがある場合の社会保険料の猶予期間は「最長で4年」と答えた巽氏に、小池氏は「現場はそうなっていない」と指摘。「一括返済できなければ、クレジットカード会社から支払われる売掛金を差し押さえる」などの厳しい取り立て実態を告発し、「社会保険料の取り立てにより中小企業を廃業に追い込むことはあってはならない」と迫りました。
鈴木俊一財務相は「あまりにも取り立てが厳しすぎて破綻に追い込むのはいかがなものか」と答弁。巽氏は「昨年10月初め、納付計画が不履行の場合、計画見直しの協議などを年金事務所に周知した」「納付猶予の緩和制度を適用するなど指導する」と答えました。