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2024年3月9日(土)

能登地震

液状化被害 枠超え支援を

井上議員 安心して戻れる受け皿も

参院予算委

写真

(写真)質問する井上哲士議員=8日、参院予算委

 日本共産党の井上哲士議員は8日の参院予算委員会で、能登半島地震により発生した地盤液状化被害への対策や避難者が安心して戻って来られる医療・介護の受け皿を確保するための従来の枠を超えた支援を求めました。(関連記事)

 液状化による宅地被害は石川、富山、新潟、福井各県で発生し、国土交通省によると約1万5000件に及びます。井上氏は、2016年の熊本地震では自治体による公共施設と宅地の一体的な液状化防止対策が被災者に費用負担を求めない形で実施されたが、住民合意に時間がかかり、熊本市内での実施は2カ所にとどまったと指摘。「住宅の被害認定にばらつきがあるなどの事情から対策を迷う家や地盤改良を待ちきれず再建した家が出てくれば、エリア一体の液状化防止事業に対する住民合意が困難になる。こうした過去の経験を踏まえて支援に取り組む必要がある」と強調しました。

 住宅被害認定の改善や当面必要となる傾きを直す工事と面的に再発防止をする液状化対策を一体に行えるような支援策の必要性を訴え、「そのためには、地方自治体が実態に合わせた柔軟な対応ができるような復興基金の創設が必要だ」と主張しました。

 岸田文雄首相は「まずは国による支援策を実施する」と答弁。井上氏は「すでに現行の国の制度だけでは限界があることは明確だ」と強調しました。

 さらに井上氏は、石川県輪島市の介護施設がすべて閉鎖し、入所者が金沢市などの施設に避難入所する中、他方で、子育ての事情などから転居・退職する職員が少なくないと指摘。今後の復興を見据え、避難者が安心して地域に帰れるための医療・介護の受け皿の確保への支援を求めました。岸田首相は「病院、介護施設の今後の機能や人材の確保などを検討している」と述べました。


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