2024年3月8日(金)
タクシー運転手賃金改善迫る
参院予算委 伊藤氏が指導を要求
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日本共産党の伊藤岳議員は7日の参院予算委員会で、タクシー運転手の賃金改善を求めるとともに「地域の自家用車や一般ドライバーを活用する新たな運送サービス」(日本版ライドシェア)について問題点をただしました。
伊藤氏は、賃金体系を2022年11月に改定したさいたま市の飛鳥交通大宮では、最多賃金帯である営業収入が43万円の運転手の場合、5万2403円もの賃下げが起きていると紹介。「埼玉県では23年11月に運賃改定が実施されたが、賃金に反映されていない」とし、是正指導を求めました。
斉藤鉄夫国土交通相は「一般論として運賃改定後6カ月の状況をもとに指導する」と述べました。
伊藤氏は「タクシー運転手の賃下げも解決できずに、いくら『移動の足の確保』だとしてライドシェアだと言っても、『運転手離れ』には歯止めがかからない。結局『移動の足』の問題は解決しない」と指摘しました。
斉藤国交相は4月から開始する新たな運送サービスについて「タクシーの不足を補完する範囲内で実施する。タクシー運転手の労働条件や処遇などの点も十分踏まえて慎重に制度設計していきたい」と釈明しました。
同サービスは、アプリによる配車とタクシー運賃の収受が可能となります。伊藤氏は複数の運転手からの証言として、アプリによる配車では▽行き先が長距離乗車になる場合、アプリの系列タクシー事業所の運転手に配車が優先される▽アプリ配車を受けた回数で運転手に順位がつけられ、その順位によって優先配車される―などの実態があると指摘。「タクシー運転手の賃金や処遇が引き下げられることは絶対にないと言いきれるのか」と迫りました。これに対し、斉藤国交相は「十分配慮する」とするだけで、絶対にないと言いきれませんでした。