2024年3月3日(日)
24年度予算案に対する宮本徹議員の反対討論(要旨)
日本共産党の宮本徹議員が2日、衆院本会議で行った2024年度予算案に対する反対討論の要旨は次の通りです。
本予算の大問題は第一に、中国を抑え込むアメリカの軍事戦略の一翼を積極的に担うために憲法違反の長射程ミサイルの開発・大量取得、米軍再編経費など8兆円もの過去最大の軍事費を盛り込んだことです。
雇用調整助成金の勘定から1964億円も軍拡財源に回す一方、被災地で苦しむ事業者への雇用調整助成金の日額上限はコロナ禍の半分程度です。軍事費は民主党政権時に比べ3兆円増えます。大学無償化に必要な予算は2兆円との答弁があり、軍拡より教育無償化を優先すべきです。
沖縄県民の民意を踏みにじる辺野古新基地建設は即刻中止し、普天間基地は無条件返還を迫るべきです。激戦地だった沖縄南部の遺骨混じりの土砂を埋め立てに使うなど人の道に反し、断じて許せません。軍拡競争で緊張を高め合うのではなく、絶対に戦争にしない平和外交こそ進めるべきです。
第二の大問題は、企業・団体献金を背景に、大企業への減税や補助金は大盤振る舞いの一方、物価高騰に苦しむ国民への支援や賃上げは全く不十分なうえ、国民生活に追い打ちをかける負担増まで狙っていることです。
総理は、子育て支援の財源確保は「実質的な負担が生じない」と説明してきましたが、1・1兆円もの医療・介護の公費負担削減は、利用者への重い負担増とサービス削減をもたらし、「実質的な負担が生じない」とは全くのまやかしです。
医療保険の仕組みを使うため、同じ収入でも国保加入者の負担が大きく、また、高額所得者ほど負担が軽く不公平です。在宅介護を崩壊させる訪問介護の基本報酬引き下げも撤回すべきです。
ケアワーカーの賃上げが2・5%では、この2年の物価高騰にも追いつきません。人手不足の危機的状況の解決のため、全産業平均以上に引き上げるべきです。物価を上回る賃金の底上げ、5年で10兆円規模の大胆な中小企業、小規模事業者支援を行い、年金は実質削減をやめ、物価並みに引き上げ、物価を引き下げる消費税減税に踏み切るべきです。
自民党の派閥ぐるみで国民を裏切る裏金づくりを何十年も行いながら、その真相究明にも後ろを向き幕引きを図る岸田政権に暮らしと平和を踏みにじる予算を押し通す資格など全くありません。カネの力で動く政治から国民の声で動く政治へ、アメリカ・財界におもねる政治から国民の暮らしに寄り添う政治へ、企業・団体献金の全面禁止へ、日本共産党は力を尽くします。