2024年3月3日(日)
教育無償化に悪影響
宮本徹氏 「授業料後払い」を批判
日本共産党の宮本徹議員は2日の衆院予算委員会で、岸田政権が打ち出す「授業料の後払い制度」の導入が授業料減免制度や教育無償化の流れに悪影響を与えかねないと指摘し、大学までの学費無償化にこそ全力で取り組むべきだと求めました。
「授業料の後払い制度」は、在学中は授業料を徴収せず卒業後の所得に応じた納付を可能とするもの。宮本氏は、同制度が高い学費を借金にして背負わせる新たなローンだと告発し、国際人権規約が定める高等教育の漸進的無償化を進めるものとは呼べないと批判しました。
「授業料後払い制度」のモデルはオーストラリアの「HECS」制度です。宮本氏は、高等教育授業料を卒業後に徴収する同制度を導入している同国には低所得者を対象とした大学授業料減免制度がないと指摘し、「授業料後払い制度」導入が前払いの授業料減免制度を拡大しない理由となり「授業料減免制度が後退するのではないか」とただしました。
同制度と授業料減免を「両立させながら取り組む」と述べる岸田首相に対し、宮本氏は、日本の高等教育への公的財政支出(国内総生産比)が経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の半分以下である一方、私費負担はOECD平均の倍だと指摘し、高等教育無償化を求めました。