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2021年7月21日(水)

ペルーに左派大統領

「誰も置き去りにしない」と表明

選挙審が当選発表

 南米ペルーの全国選挙審議会(JNE)は19日、大統領選決選投票(6月6日実施)の結果、新興左派政党「ペルー・リブレ」のペドロ・カスティジョ氏(51)が当選したと発表しました。政治家の汚職疑惑が相次ぎ政治不信が極度に高まる中、有権者の多くが、中央政界では無名ながら「公正なペルー」への転換を訴えたカスティジョ氏に変革の期待を寄せた結果です。


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 現地からの報道によると、最終集計でカスティジョ氏の得票率は50・12%。2位の右派政党「フエルサ・ポプラル」党首でフジモリ元大統領の長女ケイコ・フジモリ氏(46)は49・87%でした。

 ケイコ氏は選挙不正があったとして、一部票の無効を要求していましたが、これを審査していたJNEは訴えを退け、カスティジョ氏の当選確定を全会一致で決定しました。ケイコ氏も法律と憲法に従い、「結果を受け入れる」と表明しました。

 首都リマ市内にある「ペルー・リブレ」本部前に数千人の支持者らが集まり、「団結した国民は決して負けない」などスローガンを唱和。バルコニーから演説したカスティジョ氏は、先住民や黒人への差別のない、国民みんなの政府、「だれも置き去りにしない政府」をつくる決意を表明し、国民の協力と団結を呼び掛けました。

 カスティジョ氏は、「他国のモデルの導入を拒否しよう。ペルー国民は、法的・経済的安定を保証しつつ、本当の発展や経済モデルを進めることができる」と述べ、歴代政権が続けてきた新自由主義モデルを転換する考えを改めて示しました。

 カスティジョ氏は、抜本的な改革に向け、制憲議会招集による憲法改定も公約してきました。大企業や富裕層への負担増につながる施策を警戒する財界首脳からは、制憲議会など不要だと早くも反対の声が上がっています。

 カスティジョ氏の正式就任は28日で、任期は5年。同氏の改革を実践する閣僚人事に関心が集まっています。


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