2020年7月11日(土)
木更津にオスプレイ
「暫定」配備開始、17機体制へ
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陸上自衛隊の垂直離着陸機V22オスプレイが10日、木更津駐屯地(千葉県木更津市)に飛来し、同駐屯地への「暫定」配備が始まりました。防衛省は今後、段階的に配備を進め、2021年度末までに17機体制とする計画です。
陸自はすでに今年3月、木更津駐屯地の第1ヘリコプター団の下に、初のオスプレイ部隊となる「輸送航空隊」を新編。隊本部や整備隊、オスプレイを運用する107、108両飛行隊などで編成され、隊員約430人体制とします。
陸自オスプレイは同日、米軍岩国基地(山口県岩国市)から米側の操縦で午後4時すぎに到着。当初は6日の予定でしたが、悪天候で2度、延期されていました。
今後、1カ月程度、機体や付属品の点検ほか、教育訓練などを行った上で、試験飛行を実施します。
オスプレイをめぐっては、米軍が2012年に米海兵隊普天間基地へMV22オスプレイを配備。その後、日本政府は13年に策定した中期防衛力整備計画(14~18年度)で陸上自衛隊へもオスプレイを導入することを明記しました。
防衛省は、「南西諸島防衛」を強化する狙いから、“日本版海兵隊”=水陸機動団が駐留する相浦駐屯地(長崎県佐世保市)に近い県営佐賀空港への配備を狙いましたが、自衛隊との共用を行わないことが同空港開設の条件だったため、地権者の佐賀県有明海漁協が強く反対。配備計画が行き詰まりました。
防衛省は19年5月、米軍オスプレイの整備拠点がある木更津駐屯地への配備を狙い、木更津市に協力を要請。同年12月、渡辺芳邦市長が受け入れを表明し、「暫定」配備が決まりました。
防衛省は「暫定」配備を5年以内とし、木更津市と合意文書を交わしていますが、佐賀空港への配備にめどがたっていません。渡辺市長は同日、同駐屯地で記者団の取材に応じ、「オスプレイ暫定配備後の推移を注視しながら、適切に対処したい」と述べました。
「日本の空にいらぬ」
共産党議員と市民らが抗議
陸上自衛隊V22オスプレイの1機目が10日、配備された千葉県の木更津駐屯地。
同駐屯地前で抗議行動がありました。
日本共産党の、はたの君枝衆院議員、さいとう和子衆院南関東比例予定候補(千葉7区重複)、県内議員らが参加。市民らと「日本のどこの空にもオスプレイはいらない」「オスプレイは帰れ」と声を上げました。参加者は、県内各地や近隣県だけでなく、沖縄県の宮古島からも駆け付けました。