2020年1月13日(月)
台湾総統に蔡氏再選
香港デモ受け史上最多得票
11日に投開票された台湾総統選挙で、現職の蔡(さい)英文総統(民進党)が、817万票の総統選史上最多得票で再選されました。同時に行われた立法院委員(定数113)選でも、与党・民進党が過半数の61議席を確保しました。投票率は74・9%で、前回2016年から8ポイント上がりました。
選挙戦では、香港の反政府デモの影響を受け、中国政府への反発が若者を中心に巻き起こりました。中国大陸に対し強い姿勢を見せ、「台湾の主権と自由、民主主義を守ろう」と訴えた蔡氏に支持が集まりました。
蔡氏は11日夜、台北市内で記者会見し、「選挙結果が示したものは『一国二制度』の拒絶だ」と述べ、中国政府が打ち出した「一国二制度」による中台統一を改めて否定しました。支持者に向けた演説では、中国政府に対し、「台湾人民の選択を直視すべきだ。両岸(中台)双方は、台湾海峡の平和と安定に努力する責任がある」と述べ、台湾への軍事的挑発をやめるよう呼び掛けました。
中台関係改善による経済発展を訴えた最大野党・国民党の韓国瑜(こくゆ)・高雄市長は552万票にとどまりました。
民進党寄りの台湾紙・自由時報は12日付の論評で、「台湾は、(中国の)習近平政権に明確に『ノー』と言った」「中国共産党が最大の敗者だ」と断じました。