2019年8月4日(日)
香港 公務員抗議4万人
逃亡犯条例 市民と初集会
【北京=釘丸晶】犯罪容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」改定に対する抗議活動が続く香港で2日夜、政府機関で働く公務員が市民と共に声を上げようと集会を開きました。同条例改定への抗議活動で公務員が主体となった集会は初めて。香港メディアによると当初の見込みをはるかに上回る4万人超(主催者発表)が参加しました。
香港政府当局は1日発表の声明で「公務員の政治的中立を攻撃するいかなる行為も絶対に受け入れない」と述べ、公務員が2日の集会や5日に予定されているストライキに参加しないよう求めました。公務員有志は声明を発表し、「公務員と一般の香港市民はともに集会とストの権利と自由を有している」と反発。集会には政府の政策決定機関や管理部門など広範な部局から職員が参加しました。
集会発起人の顔武周さんは「私の前途が犠牲になろうと、香港人の前途を犠牲にすることはできない」と発言。「香港人が勇気をもって団結し、良心に従って共に進むことを願う」と呼びかけました。
発起人の一人で運輸事務主任の張家寶(ちょう・かほう)さんは集会宣言を読み上げ、「香港政府が改定案撤回や(デモ隊排除に催涙弾やゴム弾を使った警察の対応について)独立の調査委員会設置に前向きに応じる」よう求めました。
元政務局局長の陳方安生さんも独立の調査委員会設置を求め、「真相が明らかにならなければ、社会の亀裂を繕うことはできない」と指摘。「自由と民主主義を共に追求し、政府に回答を求める優秀な公務員と市民がいるということは香港の未来にとって大きな希望だ」と述べました。
参加者の人波は会場となった香港島・中環(セントラル)の公園「チャター・ガーデン」からあふれ、周辺の道路まで広がりました。トラム(路面電車)が会場のそばを通る時に車上から「香港を取り戻せ、革命の時だ」との声が上がりました。