2019年4月12日(金)
米国皆保険実現へ法案
サンダース上院議員ら提出
医療の保障は全国民の権利
【ワシントン=池田晋】2020年の米大統領選へ民主党から立候補しているバーニー・サンダース上院議員は10日、国民皆保険制度への移行を実現する法案「メディケア・フォー・オール2019」を上院に提出しました。共同提案者には大統領選に立候補している他の民主党議員も名を連ねており、今後の論戦で大きな争点となる見通しです。
上院議員会館での集会でサンダース議員が発表しました。法案提出は通算5回目で、17年に同氏が提出したものから保険の適用範囲をさらに充実させた内容。国が運営する医療保険制度に国民誰もが加入することになります。
適用範囲は、外来診療、入院治療から産科や精神医療まで包括的です。「文明、民主主義社会が保障すべき医療をまさに提供するもの。全ての米国民が年収に関係なく、必要な時に必要な医療を受けられる」(法案説明資料)としています。
民間保険会社は、国が保険外とする医療に対してのみ保険を販売することとなります。
サンダース氏は集会で、医療保険をめぐる議論は、莫大(ばくだい)な利益をあげる保険会社の「強欲と不当利益」にまみれた「機能不全の制度を維持するかどうか」という点に絞られると指摘。「全国民の権利として保障された医療制度を望むとする、国民の意思はいよいよ明確だ」と語りました。
上院議員14人が共同提案者として法案を支持。ウォーレン、ハリス、ジルブランド、ブッカーの4上院議員は、サンダース氏と同じく大統領選に民主党から立候補しています。
ホワイトハウスは同日、報道官名で声明を出し、「自称社会主義者」が打ち出した「政府による医療保険の独占策」だと強い危機感を示しました。
下院には2月、同様の法案が民主党議員から提出されています。