2007年6月14日(木)「しんぶん赤旗」
米産牛肉査察
条件違反でも「影響ない」
農水・厚労省 米主張を追認
農水、厚生労働両省は十三日、米国産牛肉の輸入をめぐり、五月に実施した同国の対日牛肉処理施設二十八カ所の査察結果を発表しました。ラベルの張り間違えなどの問題が判明しましたが、出荷記録上、「対日輸出条件には影響しない」として、米側主張を追認しています。
検証期間終了にあたって、日米共同の発表文を公表。条件違反はシステム上の問題ではないとして、四月の日米合意に基づき、日本が輸入時に実施してきた米産牛肉の全箱検査を取りやめ、抜き取り検査に変更します。衛生証明書に記載がない不適格品の出荷が発覚したことを受け、日本向けの出荷を禁止していた三カ所の施設に対しては、デモストレーション(実演)とインタビューなどにより、改善措置の体制が整備されているとして、出荷再開も容認しました。
一方、農水省と厚生労働省は消費者向けの説明会を東京(二十一日)と大阪(二十二日)の二カ所で開催します。
昨年夏の輸入再開以来、米国から条件違反の牛肉の出荷が続出していますが、両省は違反した食肉業者の対日輸出のストップにとどめており、説明会では両省の対応に批判がでるのは必至。輸入条件の月齢条件の撤廃をせまる米政府いいなりに、日米協議の再開に着手しようとする自民・公明政府の姿勢があらためて問われています。
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