今回は、参議院選挙の真っ最中だったこともあり、「共産党に頑張ってほしい」という声が多数寄せられました。このままでは生きていけない、という切羽つまった思いが込められていたと思います。議席を5から3に減らす結果となったことは本当に申し訳なく思います。でも、人間らしい働き方を壊してきた自民、公明の暴走政治にきっぱり国民の審判がくだったのが今回の選挙だったということは間違いなくいえるでしょう。野党の共闘は可能な限り追求し、皆さんの期待にこたえる政治へ、頑張っていきたいと思います。
自民党の「成長を実感へ」というスローガンは、全く共感を呼びませんでした。選挙直後に厚生労働省が発表した「労働経済白書」では、労働生産性が上がっているのに、賃金はあがっていない、労働時間が短縮されていない、一方、役員給与や内部留保が急増しているなど、「経済成長の成果が労働者に分配されていない」ことを認めました。指摘してきたとおりです。寄せられたメールは、偽装請負が常態化、パワハラ、無権利など、若い皆さんのおかれている現場のひどさが窺えるものばかりでした。多くの人が心を病み、悪循環から抜け出せずにもがいていること、「このまま神様が永眠させてくれたらどんなに幸せだろうか」(33歳男性)という訴えには胸をしめつけられました。ただ、皆さんの声は無視できない規模になって政府の手をしばっているということも事実です。
先の国会では、パート労働者と正社員との差別的取扱い禁止などを盛り込んだパート労働法改正がされました。しかし、差別禁止の対象になるのは、一握りのパートにのみで、圧倒的多数のパート労働者は経験があるにもかかわらず、昇給なし、ボーナスなし、社員食堂や忌引きさえも許されないひどい条件の下で働かされています。誰がみてもおかしい、ということを是正させるべきです。最低賃金で過労死ラインである年3000時間も働かなければ年収200万円にもならない。(東北は600円台なので3000時間でも足りません)というワーキングプアを生み出す賃金を抜本的に底上げすべきです。日雇い派遣のフルキャストが、事業停止命令を受けました。違法派遣を繰り返していた同社を見過ごすわけにいかなくなった、このこと自体も世論の力ですが、それが労働者にしわよせになるのでは困ります。この際、思い切って大本に切り込み、労働者派遣法を見直すべきです。新しい国会は政治を変える絶好のチャンスです。ご一緒に声をあげ、頑張りましょう。
■プロフィール
たかはし・ちづこ
1959年秋田県能代市生まれ。青森市の私立東奥女子高校の英語教師。教職員組合の役員や、民青同盟青森県委員会副委員長としても活躍。
1983年11月日本共産党入党。青森県議会議員を経て2003年より衆議院議員。東北比例ブロック。
日本共産党準中央委員。現在、衆院厚生労働委員、党厚生労働部会長、党食料・食の安全・農林水産対策委員会責任者。
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