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大木寿さん(全労連・全国一般労働組合 中央執行委員長)

ひとりでも組合に入れます写真

 私たちの労働組合にも、皆さんと同じ立場の人から、「許せない」「何とかしたい」と連日相談があります。私たちは相談者の問題を解決するために、まず組合にはいることを勧めています。ひとりでは立場が大変弱いからです。組合に入り、組合役員のアドバイスを受けながらみんなと力をあわせて、問題解決(要求実現)をします。

 労働者を守る法律は沢山ありますが、法律違反が横行しています。憲法は労働者を守り、要求を実現するための労働組合を認めています。ひとりでも失業中でも組合に入れます。全労連は全国に組織があり、労働相談センターもあります。相談から組合に入り、願いを実現し、胸を張って働く仲間が増えています。

 皆さんが指摘するように、ひどい世の中です。大企業はリストラでボロモウケをしています。トヨタの昨年の経常利益は1億5千万円です。政府は税金を大企業・銀行に湯水の如く使い、まともな雇用対策をせず、社会保障と税金を連続して改悪してきました。そのために、失業者と非正規社員が急増し、生活困難な人が急増しています。みんな「何とかして欲しい。何とかしたい」と思っているのではないでしょうか。

 未来を担うのは若者です。ヨーロッパでは若者の深刻な失業と社会的地位の低下に対して、雇用、職業教育・訓練、社会保障、住宅など若者の自立を支援する制度づくりが行われてきました。ところが、日本は優勝劣敗・弱肉強食の社会です。多くの人が労働組合に入り、未来を開くために、自分の要求実現と政治を変えていく運動を進めていくことが大切ではないでしょうか。

 さて、皆さんのご質問にひと言コメントです。

 [1]さんへ。生活保護の件は「生活と健康を守る会」と相談するのが早道です。就職の件ですが、障害者雇用促進法は常用雇用56人以上の企業は1.8%、国・地方公共団体・特殊法人は2.1%の障害者雇用を決めていますが、約半数しか雇用していません。私たちは、雇用促進のために皆さんと一緒に努力していきます。

 [4]さんへ。教育現場で精神疾患や自殺が急増しており、深刻な社会問題です。一度、全日本教職員組合(tel03-5211-0123)に相談して下さい。

 [5]さんへ。サービス残業は法律違反です。労基署に相談する方法もありますが、身の安全を考えて、全労連の労働相談センターと相談の上、対応して下さい。[6]さんも同じです。

プロフィール

おおき・ひさし

(家族)妻:保育士、子ども:2男2女
(趣味)山登り、スキー、旅行
(略歴)
1943年 東京生まれ。5人兄弟の末っ子
1971年 電子部品メーカーSMKの神奈川工場で組合結成。委員長に選ばれる。
会社は組合つぶしのために、私を配転命令拒否を理由に解雇。組合員の脱退や6年半のたたかいで勝利し、私は労働組合の仕事(専従)につく。
1987年全国一般労働組合神奈川地方本部の副委員長に選出される。労働相談・組合づくり、解雇や倒産、経営危機などの対策とたたかいに明け暮れる。
1989 年 全労連・全国一般労働組合が結成され、中央本部書記長に選ばれる。
2002年 中央本部委員長、全国労働組合総連合(全労連)副議長に選ばれる。

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