2006年12月16日(土)「しんぶん赤旗」
「障害者権利条約」採択
完全参加へ第一歩
日本障害フォーラムが声明
国連総会で「障害者権利条約」が採択されたことをうけ、条約策定に国内外で参画してきた日本障害フォーラム(JDF)は十五日、「障害者を含む誰もが差別されず、完全に参加できる社会を築き上げる第一歩」と歓迎し、「今後の条約批准と履行の過程すべてにおいて、障害者の実質的な参加の保障が強く求められる」とした声明を発表しました。
超党派の国会議員でつくる「国連障害者の権利条約推進議員連盟」とともに、JDFは厚生労働省内で記者会見を開きました。
JDFの藤井克徳幹部会議長は「今度は社会も障害者問題に参加していかないといけなくなった」とのべ、社会が障害者に合わせて変化していかなくてはいけなくなったことを強調しました。
国連の資料によると、「障害者権利条約」では、障害がある人々が平等な地位を手に入れるためには、社会の態度を変えることが必要との認識を示しています。具体的に障害がある人々の権利として、市民的・政治的権利、アクセス確保、参加と受け入れ、教育を受ける権利、保健の権利、労働の権利、雇用の権利、社会保障などが盛り込まれています。
JDFによると、条約は障害者に対して「合理的な配慮」をしないことを差別としました。
記者会見では「ろうあ者は今まで、手話を言語として認められてこなかった。人間として認められなかった歴史。教育を受ける権利などが保障されたということで、これから、権利条約の実現のために国内法の整備を求めたい」などの発言がありました。
今後、JDFは国内法との関係について検討を進める予定です。
一方、推進議連は、「締結に向けて政府による検討が促進されるよう議論を活発化させていくとともに、条約と関連する国内法の整備に努力していく」とのコメントを発表しました。