2006年12月13日(水)「しんぶん赤旗」
日豪EPA
日本農業に打撃
参院委で紙議員が指摘
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日本共産党の紙智子議員は十二日の参院農林水産委員会で、政府が締結に向けて交渉入りを検討している日本・オーストラリア経済連携協定(日豪EPA)について、国内の農林水産業に多大な損失を及ぼすことを指摘し、交渉に入るべきではないと政府を追及しました。
この中で紙氏は、農林水産省が試算した日豪EPAで関税撤廃された場合の影響額を紹介。国内生産の減少額が約七千九百億円、雇用への影響、耕作放棄地の増加などのための新たな財政負担が約四千三百億円にのぼり、さらに食料自給率への影響も指摘されています。
紙氏は「日本農業と地域経済に立ち直れない打撃を与えることになる」と批判し、「日本農業の存廃にかかわる交渉には入るべきではない」と述べました。
これに対し、松岡利勝農水相は「(指摘について)重々認識している。重要品目は、譲らず守りぬく。われわれの目的が通らない場合は、(交渉の)中断を含め、いろんな選択肢がある」と答えました。
また、農水委は質疑後、日豪EPAの交渉開始に関する決議を全会一致で可決しました。決議では(1)米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖などの農林水産物の重要品目を、除外・再協議の対象にする(2)進行中のWTO(世界貿易機関)交渉や、米国、カナダなどとの農林水産物貿易に与える影響への留意―などを求めました。