2006年11月29日(水)「しんぶん赤旗」
北九州市校長自殺
“教育行政の犠牲”
仁比議員 現場ゆがめる管理強化
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参院教育基本法特別委員会で、日本共産党の仁比聡平議員は二十八日、いじめ問題の対応をめぐり市立小学校の校長が自殺した北九州市の例をあげながら、教育基本法改悪を先取りする教育行政が現場をゆがめている問題をただしました。
仁比氏の現地調査によると、自殺した校長は、保護者の訴えで、子どもたちの中での金銭の受け渡しを伴う問題が判明した後、すぐに対応し、解決に向けた保護者の話し合いや教職員の努力の先頭に立っていました。市教委も報告を受け、情報を共有していました。
ところが十一月十一日、同校が「いじめの実態を隠していた」と報道された途端に市教委の対応は一変。校長は「なぜこういったいじめを報告しなかったのか」と教育長に叱責(しっせき)され、市教委の同席もない孤立無援の記者会見をした翌日、自殺しました。
仁比氏は「学校の対応を励まし、支えるべき教委が、逆に現場の教育的努力を否定する評価を行った」と指摘、政府の認識をただしました。
伊吹文明文科相は「校長の努力は認める。教委も、校長一人で記者会見などということは私が教育長ならしない」などと答弁。仁比氏は「この校長はゆがんだ教育行政の犠牲者だ」と指摘しました。
同市の教育行政をめぐっては、今年度から「教員評価システム」が本格実施されるなど、市教委が学校現場への管理をすすめ、ゆがみが深刻化しています。
仁比氏は、同市の教員評価システムは二〇〇三年度に文科省が委嘱してつくられたものであり、市教委の人事権を一手に担う学務部長も文科省出向者だと指摘。「こういうシステムを主導してつくってきたのが文科省にほかならない。押しつけはきっぱりやめるべきだ」とのべ、改悪法案の廃案を求めました。