2006年11月25日(土)「しんぶん赤旗」

核積載米艦船の領海通過

「事前協議ない場合も」

防衛長官答弁 赤嶺議員批判


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(写真)質問する赤嶺政賢議員=24日、衆院安保委

 久間章生防衛庁長官は二十四日の衆院安全保障委員会で、核兵器積載の米軍艦船の日本領海内の通過について「緊急事態、(日本政府との)事前協議をするいとまもない時に、急速浮上をして無害通航するか、あるいは急速浮上もせずにそのまま通り抜けるか、その辺は現実問題としてはあり得るのではないか」と答弁しました。

 日本共産党の赤嶺政賢議員への答弁。赤嶺氏は「緊急事態」という理由を付ければ、核兵器を積んだ米軍艦船がいつでも日本領海内を通過できるようになる重大答弁だとして、厳しく批判しました。

 日本政府はこれまで、核兵器を積んだ米軍艦船が日本領海内を通過しようとする場合には日米間で事前協議が行われることになっており、その際、「非核三原則」に基づいて通過を認めないという立場をとってきました。ところが久間長官は十九日の民放テレビ番組で「(核兵器積載の米軍艦船は)緊急事態でも(日本)領海に入って通過することが絶対にないのか、米軍は言わないと思う」と発言していました。

 赤嶺氏は久間長官の発言について「米側は緊急事態の際には事前協議は求めてこないということか」と追及。久間長官は「災害その他」の例を挙げつつ、「緊急事態の場合には(事前協議ができなくても)やむを得ない場合だと思う。その後に、事前協議ができなかったという報告がきちんとあると思う」などと答弁しました。

 赤嶺氏は一九六〇年の日米安保条約改定の際、核兵器積載の米軍艦船の日本領海や港湾への立ち入りについては事前協議の対象にしないという日米間の密約が取り決められていると指摘。「有事の際にはこの密約が動き出すということではないか」と追及しました。

 久間長官は「密約そのものを知らない」と答弁。赤嶺氏は「核兵器を持ち込ませないという日本政府の意思表示があいまいな形で崩されていくことは絶対納得できない」と批判しました。


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