2006年11月8日(水)「しんぶん赤旗」
PAC3配備“沖縄喜べ”発言
防衛長官は県民愚弄
赤嶺氏が批判
日米両政府が米軍嘉手納基地(沖縄県)に「ミサイル防衛」用のPAC3ミサイルの配備を強行し、久間章生防衛庁長官が「沖縄の人は喜んでもらいたい」と述べたことに、地元住民・自治体の怒りが広がっています。日本共産党の赤嶺政賢議員は七日の衆院安全保障委員会で、久間長官の発言について「米軍基地におびえている県民を愚弄(ぐろう)するものだ」と批判しました。
政府は、PAC3配備について“七月に地元に説明し、理解を得るよう努力してきた”と説明しています。赤嶺氏は「(実態は)『理解』を求めるのでなく、一方的『通告』だった」と述べ、「『理解』を示した自治体が一つでもあったか」と追及しました。北原巌男防衛施設庁長官は「『遺憾だ』『反対だ』と自治体首長から意見をいただいた」と述べ、「理解」した自治体を一つもあげられませんでした。
赤嶺氏は、こうした中での久間長官の発言に地元自治体が「感謝する人はいない」「県民感情無視だ」と反発していることを紹介。これに対し久間長官は「PAC3は純粋に防御的な装置。『けしからん』というのは、いかがか」と開き直りました。
赤嶺氏は、「防御的だ」というが、PAC3の配備は沖縄に集中する米軍基地を守るためにすぎないと指摘し、「基地が目の前にあり、事件・事故が繰り返され、十分な説明がないまま、車列を組んでPAC3が公道を展開する。こんなものを見せられ、『喜べ』というのか」と批判。沖縄戦を体験した県民は軍隊が県民を守らないことを知っているから、安保条約に賛成の人も配備には反対していると力説し、「(配備は)頭越しの押しつけだ」と強調しました。