2006年10月27日(金)「しんぶん赤旗」
有権者2割台の賛成で改憲
手続き法案 撤回を
衆院委で審議入り
笠井氏が批判
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九条改憲に直結する改憲手続き法案の審議が二十六日、衆院憲法調査特別委員会で始まりました。先の通常国会で自民・公明両党と民主党がそれぞれ国会提出し、継続審議となっていたものです。
日本共産党の笠井亮議員は、自民党が昨年十一月に九条改悪を焦点とする新憲法草案をまとめ、九月に発足した安倍新政権は五年近くの期間で改憲実現を目指すとしていることを指摘。「今回の手続き法案が、現に進行している改憲の動きと密接不可分に結びついていることは紛れもない事実」とのべ、「九条改憲の条件づくりとなる法案は直ちに撤回するよう強く求める」と表明しました。
民主党の枝野幸男議員は「具体的に憲法を変える、そのステップとして考えている人がいるのはその通り」と述べ、法案が改憲の条件づくりだという指摘を否定しませんでした。
笠井氏は、与党案が、改憲案を通しやすい仕組みとなっていることを批判。具体的には、最低投票率の要件を設けず、改正に必要な国民の承認を「有効投票総数の過半数」と低く設定しているため、五割の投票率の場合、有権者の二割台の賛成で憲法改正が「成立」する反民主的な結果になりかねないと指摘しました。また、常設機関として設置を狙う憲法審査会が、改憲論議を新たな段階に推し進めるものであると強調しました。
質疑では、自民・民主両党間で「両党案の違いは少ない。両者あいまって成立を期す」(自民・近藤基彦議員)、「発言を歓迎する。できれば全会派の一致で」(民主・枝野議員)など修正合意を目指すやりとりがなされました。