2006年10月24日(火)「しんぶん赤旗」
9条は世界の模範
米法律家団体が憲法決議
日本代表も参加
年次総会
【オースティン(米テキサス州)=山崎伸治】十八日から当地で開かれていた米国の進歩的法律家団体「ナショナル・ローヤーズ・ギルド」の第六十九回年次総会は最終日の二十二日、日本国憲法の国際的意義を評価し、憲法九条を守る日本の運動に連帯を表明する決議を採択しました。同ギルドが日本の憲法九条に関する決議を採択したのは初めてです。
決議は、憲法九条が「発達した国の憲法で唯一、『戦争と、武力による威嚇又は武力の行使』を『国際紛争を解決する手段』として放棄した」と指摘。日本国民は、アジア諸国に対する侵略と原爆投下など第二次世界大戦で惨禍を被った経験から「憲法九条と平和主義を国是として受け入れた」としています。
また、九条は「国連憲章の諸原則を国内法に取り入れた模範であり、すべての国が追求すべきもの」と強調しています。
大会には日本国際法律家協会と自由法曹団を代表して、笹本潤、田中俊両弁護士が出席。二十日夜に開かれた同ギルドの国際委員会主催の集会で笹本氏は「多くの米国人に憲法九条を守る必要性を理解してもらいたい」と呼び掛けました。
「ナショナル・ローヤーズ・ギルド」は一九三七年、米国で最初の人権擁護組織、人種差別をしない法律家組織として創設され、弁護士や法学者、法科大学院生などで構成。労働者の利益擁護や公民権運動などを担ってきました。