2006年10月19日(木)「しんぶん赤旗」
万景峰号
入港禁止措置を承認
衆院委で穀田議員 「外交的解決の手段」
衆院国土交通委員会は十八日、北朝鮮が七月五日にミサイルを発射したことを受けて日本政府が実施した北朝鮮船籍「万景峰92号」の六カ月間入港禁止の措置の承認を全会一致で可決しました。
採決に先立つ質疑で日本共産党の穀田恵二議員は、北朝鮮のミサイル発射、核実験への対応について、北朝鮮に核計画を放棄し即時無条件に六カ国協議に復帰させるため国際社会が一致協力し、平和的・外交的に解決することが重要だと強調。日本の独自措置もこの見地でありうるとの立場を表明しました。
そのうえで穀田氏は、政府が入港禁止措置の目的を「対話を通じた懸案の解決を図るため」(安倍晋三首相)のものであり、外交的解決をしていく方針に変わりがないと答弁していることをあげました。
そして、今回の「万景峰92号」の入港禁止措置は、「いわゆる制裁のための制裁ではなく、北朝鮮を六カ国協議にもどし、日朝平壌宣言にもとづく対話の道に復帰させ、外交的解決を図る手段としてとられたものだ」と指摘し、賛成の態度を表明。日本の独自措置は中国、韓国などとの協調で実施されるべきだと強調しました。
穀田氏は質疑で、核実験後実施したすべての北朝鮮籍船舶の入港禁止措置の目的は何かと質問。冬柴鉄三国交相は北朝鮮に対して核計画の放棄、無条件での六カ国協議への復帰を求めることにあるとの立場を示しました。さらに、穀田氏が今回の一連の措置を「解除する条件」をただしたのに対し、冬柴国交相は「国際社会とともに政府が一丸となって、北朝鮮の国連決議への履行状況を総合考慮して、政府が判断する」と答弁しました。