2006年10月12日(木)「しんぶん赤旗」
マスコミ九条の会が集会
澤地さん講演 “百言えずとも一書ける”
新聞や放送、出版界などの「マスコミ関連九条の会連絡会」は十一日、都内で「だれが決める?憲法の行方」をテーマに集会を開き、会場いっぱいの二百五十人が参加しました。
「九条の会」呼びかけ人の一人で作家の澤地久枝さんが、「メディアにもの申す」と題して講演しました。澤地さんは、全国規模での九条の会の発展を喜ぶ一方、この運動をまともに報じてこなかったマスコミに対し、「憲法は終わってしまったとか、自衛隊の縮小は夢の話だという考えに、知らぬ間に中毒になっていないか」と問いかけました。
澤地さんは、BBC(英国放送協会)がイラク戦争で政府批判を展開したことを紹介。「百言えなくても一は書くことができます。日本の社会が成熟するよう、お互い勇気を示しましょう」と呼びかけました。
パネル討論では、元立正大学教授の桂敬一さんをコーディネーターに、弁護士の坂本修さん、九条の会事務局長で東京大学教授の小森陽一さんが、先の国会で与党と民主党が提出した改憲手続き法案(国民投票法案)の問題点を指摘しました。
坂本さんは、国民投票が実施された場合、政党に割り当てるテレビや新聞の無料広告は議席配分で量が決められるとし、「改憲派によるマインドコントロールが起きる」と警告。小森さんは「テレビを通じての洗脳は、『小泉劇場』で実践ずみ。こうしたやり方で憲法の判断を国民に迫っていいのか」とのべました。
桂さんは「マスコミがやるべきことはたくさんある。新しい知恵を出して情勢を切り開くことが大事」と語りました。