2006年9月4日(月)「しんぶん赤旗」
利用者負担を軽減
障害児施設の食費・光熱費
障害者施設への支援加算も
厚生労働省は、障害者自立支援法に合わせ十月から新たに実施する障害児施設の利用者負担について、軽減措置を拡大することなどを発表したことが、三日までに分かりました。
厚労省が発表 共産党も措置要求
利用者負担の軽減は、障害者団体が厚労省などに要請を繰り返してきました。日本共産党も今年に入り三回にわたり緊急要求を発表したり、申し入れを行い、「利用者負担の軽減措置や施設が安定的に運営できるように報酬を引き上げること」を求めていました。
厚労省によると、利用者負担の軽減措置を拡大したのは、障害児施設の食費などについてです。障害児入所施設では、これまで対象ではなかった市町村民税所得割額が二万円未満(年収三百万―四百万円)の世帯まで、食費・光熱費の軽減措置を拡大(二〇〇九年三月末までの経過措置)。同通所施設では、就学前障害児の食費負担を、市町村民税非課税の低所得者世帯と市町村民税所得割額が二万円未満の世帯で軽減します。(具体例は別表)
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障害児入所施設には、夏休みなどで障害児を帰省させることが親子関係の維持に必要であるという事情を踏まえ、新たな報酬も設定しました。
厚労省は同時に、障害者施設に対しても、入所者が病院に入院している時の支援などに、新たな加算をつけることを明らかにしました。
これまで障害者入所施設では、利用者が七日以上、入院や外泊をすると国が施設に払う報酬が支給されなくなっていましたが、今回新たに「入院時支援加算」を創設。入所施設利用者が入院し、施設職員が家族の代わりに支援を行った場合、施設は加算を受けられるようになりました。
グループホーム・ケアホームでは入院時支援加算のほかに、帰省の支援を行った場合の加算も創設。夜間支援体制加算についても、新たに障害の程度が低くても受けられるように見直しが行われました。
応益負担は避けるべきだ
「障害乳幼児の療育に応益負担を持ち込ませない会」の中村尚子副代表の話 障害乳幼児を育てている若い世代に注目し、実費負担分を軽減する策を講じたり、障害児通園施設が家庭訪問をした場合の報酬を認めるなど、保護者や施設関係者の要求が取り入れられた見直しだといえます。
しかし、軽減策が講じられるのは給食費などの実費部分のみで、費用の一割負担について変更はなく、現行からの負担増に変わりありません。家庭訪問が実施された場合も保護者負担が生じます。利用者負担が、現在の八倍から九倍になる人もあり、負担軽減策の拡充が求められます。
乳幼児期の療育に応益負担は避けるべきです。