2006年9月3日(日)「しんぶん赤旗」

安倍氏推進の自民政策機関

セミナーに公益企業


 四日開講する自民党シンクタンク「シンクタンク2005・日本」(鈴木崇弘代表理事)のセミナー(日本政策アカデミー)の参加申し込み(参加費一人五十万円)に政治献金など政治活動を自粛する公益事業をはじめ大企業が名を連ねていることが二日までにわかりました。

 内部資料によると、参加申し込みはほとんどが企業名です。旭化成、松下電器産業、日本電気、日産自動車、チッソ、新日鉱ホールディングス、電通などのほか、事業の公益性から政治活動などを自粛する東京、関西、中部、電源開発の各電力会社、東京ガス、JR東日本が参加を申し込んでいます。参加企業には日本経団連副会長、関経連会長など財界団体役員企業が目立ち、財界大企業頼みの同シンクタンクの性格を示しています。

 「シンクタンク2005・日本」は、「新しい自民党の政策作りを期待する」(六月の開所式での武部勤自民党幹事長あいさつ)と設立されました。九月からのセミナーは発足後最初の事業の一つ。小泉純一郎首相の講演が聴けて、ツーショット写真が撮れますとの宣伝文句で定員百人の参加者を募集していました。

 自民党シンクタンクについては安倍官房長官が一日に発表した総裁選公約で「シンクタンク機能活用で独自政策の立案」を掲げ、安倍政権下で重視する方向を打ち出しています。自民党シンクタンク構想は安倍氏が党改革実行本部長当時に発案推進したもの。当初構想では財界から約三億円の寄付を見込みましたが、財界側が難色を示したため計画を縮小変更して発足した経過があります。

 同シンクタンクの鈴木代表理事は本紙の取材に「参加者の件などに答える必要はない」としています。


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