2006年8月22日(火)「しんぶん赤旗」

安倍氏の憲法観 「前文は詫び証文」

大変な危うさ感じる

市田氏が批判


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(写真)会見する市田書記局長=21日、国会内

 日本共産党の市田忠義書記局長は二十一日、国会内で記者会見を行い、自民党総裁選候補への感想を求められる中で、安倍晋三官房長官が著した『美しい国へ』の内容にふれて「驚くべき軽さと危うさを感じた」とのべました。

 安倍氏は同書で、日本国憲法前文の「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたい」をひき、これを「敗戦国としての連合国に対する“詫(わ)び証文”のような宣言」「妙にへりくだった、いじましい文言になっている」と攻撃しています。

 市田氏は「戦後日本の出発点ともいうべき基本精神が明記されている憲法前文を『詫び証文』といってはばからない憲法観に危うさを感じる」と批判しました。

 また同書では、交戦権を認めない憲法九条のもとでは「東京湾に、大量破壊兵器を積んだテロリストの工作船がやってきても、向こうから何らかの攻撃がないかぎり、こちらから武力を行使して、相手を排除することはできないのだ」とのべています。

 このことについても市田氏は「東京湾は日本の領海であり、そこに工作船がきたら海上保安庁が排除するのはあたりまえの話だ。こういう論法で憲法を改悪し集団的自衛権を認めよというのは論評にたえないものだし、大変危険だ」と指摘しました。


平和でこそ野球できる

甲子園決勝再試合にふれて

市田氏

 「両校に優勝旗をあげたいくらいの名勝負だった」。日本共産党の市田忠義書記局長は二十一日の会見で、駒大苫小牧と早稲田実の決勝再試合にふれてこう語りました。自身もかつて甲子園をめざした球児。野球への思いは人一倍強く「平和でこそ野球ができるという感を今日のゲームを見ながら思った」とも。

 アジア・太平洋戦争で命を亡くしたプロ・社会人野球の選手は百数十人います。三度のノーヒットノーランを達成したかつての名選手・沢村栄治投手(一九一七―一九四四年)は三度の召集をうけ、親友に“おれは二度と(戦争に)行きたくない”と語り、四四年に乗っていた輸送船が台湾沖で沈められ戦死しました。

 市田氏はこうしたエピソードを紹介しながら、「憲法九条にはそういう形で命を失った人たちの“再び戦争をしたくない”という熱い思いが凝縮されていると思う」と語りました。


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