2006年7月9日(日)「しんぶん赤旗」
報道と平和 役割問う
広島マスコミ九条の会シンポ
広島マスコミ九条の会(平岡敬代表)は八日、広島市の平和記念資料館で結成一周年記念シンポジウムを開きました。百七十人が参加した集会では、岩波書店『世界』の岡本厚編集長、広島市立大学平和研究所の浅井基文所長、沖縄タイムスの諸見里道浩編集局長、中国新聞編集制作本部の小野増平本部長が発言。米軍再編など平和を脅かす現実にメディアがふさわしい役割を果たしているのか議論になりました。
『世界』岡本編集長は「社会がどこへ向かうべきか。私たちはメディアを通して共有できる」とその意義を踏まえた上で、米軍再編について「どれだけ本質を報道できているだろうか」と提起。
浅井所長は「広島市民が岩国にほとんど関心を払わない現実がある。この責任は、地元の中国新聞報道にも一端がある。原爆報道にかける反戦のエネルギーを、岩国にもっと傾注してほしい」と語りました。
沖縄タイムスの諸見里編集局長は、神奈川新聞と提携した安保連載を通して「米本国やヨーロッパ取材で日本の米従属の異常さを認識した」と発言。中国新聞の小野本部長は「九条二項は変えざるを得ないと思っていたが、自衛隊が米国に利用される現実を見て疑問を感じ始めている」と語りました。