2006年6月30日(金)「しんぶん赤旗」
“9条を世界に” 呼びかけ
平和フォーラムが閉幕
|
【バンクーバー(カナダ)=鎌塚由美】九十七カ国から五千人が参加し、二十三日から当地で開かれていた世界平和フォーラムは二十八日、「平和のために都市、地域社会、住民に働きかけを強める」決意を述べたアピールを採択して閉幕しました。
「バンクーバー平和アピール二〇〇六―平和をつくろう」と題されたアピールは、「戦争のない世界は達成できる」とし、そのためにもイラク、アフガニスタンからの外国軍の撤兵、核兵器の廃絶を強く要求。各国政府が「日本の憲法九条のように憲法で戦争を放棄するよう」呼びかけました。
六日間にわたり三百五十の分科会が開かれ、約五千人が参加。市内で開かれた閉会式には、核兵器の違法化を提言した「大量破壊兵器委員会」のハンス・ブリクス委員長が参加し、「法に基づいた国際社会」の重要性を強調。核兵器の廃絶にいたる道筋を提言した同委員会の提言を「平和のために役立ててほしい」と述べました。
同氏は、イラク戦争での米国の情報操作に触れ、「イラク戦争は間違いだ」と語り、会場から大きな拍手を受けました。平和のために「政府、国連に働きかけよう。適切に使われるのなら国連はとても有益だ」と語りました。
核兵器を二〇二〇年までに廃絶しようと運動を進めている平和市長会議の秋葉忠利・広島市長も閉会式にメッセージを寄せました。そのなかで平和市長会議の加盟都市が百七十カ国、千三百八十五都市に拡大しているのは、「世界の数百の平和活動家によって可能となった」と指摘。「核兵器使用を考えるものは誰であっても、人類、地球の敵である」と述べ、核兵器廃絶へむけ各都市が立ち上がるように呼びかけました。
参加者の一人、地元ブリティッシュコロンビア州のティナ・オオヤマさん(21)=看護師=は、「私たちはいまこそ平和の運動を大きな流れにしていかなくてはならない。各国の活動家が経験を交流できた分科会は、今後の地域での活動にとても有益でした」と語りました。