2006年6月17日(土)「しんぶん赤旗」
社会保険庁
厳しいノルマ主義
年金不正免除の圧力に
高橋議員が追及
|
日本共産党の高橋千鶴子議員は十六日の衆院厚生労働委員会で、社会保険庁の年金保険料不正免除問題の背景に、厳しいノルマ主義があることを追及しました。
社会保険庁が新たに導入した人事評価制度は五段階の相対評価となっています。しかも、全員が成果をあげても全職員の20%は「良好でない」とされ、手当に差がつく仕組みです。高橋氏は「厳しいノルマに追われ、サービス残業で戸別訪問をする。運良く未納者に会えて一口納めてもらっても、すぐ未納に戻る」と現場の実態を紹介。ノルマ主義が不正免除手続きの圧力になったのではないかと指摘しました。
社会保険庁は精神疾患で長期病欠をとっている職員が急増しています。社会保険庁の小林和弘次長は、二〇〇一年は長期病欠者二百八十人のうち精神疾患が百十三人(40・4%)だったのに対し、三年後の〇四年は三百九十人中二百四十人(61・5%)となっていると答弁しました。高橋氏は「この背景に何があるのか。しっかり調べるべきだ」とのべました。
高橋氏は、昨年六月六日の全国事務局長会議で年金保険課長が「社会保険庁の最大の課題は国民年金の収納率」「一年間無駄に給料をもらってぼけーっとしておるのか」と発言した問題を取り上げ、「国民の側に立った気持ちがない。ノルマ達成のために職員に檄(げき)だけ飛ばすやり方は問題だ」と迫りました。
川崎二郎厚労相は課長発言があった事実を初めて認め、「行き過ぎた表現があった。今後ないように努めていく」と答弁しました。
課長発言は一日の参院厚労委員会で小池晃議員が取り上げ、厚労省側は調査する、としていました。