2006年6月16日(金)「しんぶん赤旗」

福井日銀総裁が広告塔

村上ファンド 投資資料で宣伝

参院予算委 大門議員が追及


 村上ファンドに一千万円を投資している日本銀行の福井俊彦総裁が「元日銀副総裁」の肩書で、投資について助言する「アドバイザリーボード(経営諮問委員会)」のメンバーになっていた――日本共産党の大門実紀史議員は十五日の参院予算委員会で、その事実を資料で示し、福井氏の辞任と小泉純一郎首相の任命責任を追及しました。


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(写真)質問する大門議員

 大門氏が示したのは村上ファンドが投資家のための説明資料として配布したもので、元日銀副総裁の肩書で福井氏の名前が最初にあり、広告塔の役割を果たしていたことをあらわしています。(上の資料参照)

 大門氏は、福井氏が十三日の参院財政金融委員会で「アドバイザリーボードのメンバーになるというふうな契約は存在しない」と答弁していることを、「虚偽の答弁になる」と批判。同委員会から要求している村上ファンドからの収益がわかる確定申告用の書類を明らかにするよう求めました。

 福井氏は、村上ファンドのアドバイザリーボードは、他の会社のものと違うなどと弁解。収益の関係書類については、「コピーはもっている」としながら、「整理している」「全体の整合性を調べている」とのべ、提出の引き延ばしをはかりました。

 このことで、委員会は一時騒然となり、審議が三度中断しました。

 大門氏は、今国会で審議できるように、十六日の朝までに提出するよう要求。福井氏は「最大限努力するが確実というところまでは…」と明言を避けました。

 大門氏は小泉首相に対し「村上ファンドがインサイダー取引で得た利益の一部を日銀総裁が手にすることになる。こんなことは国際的にもあり得ない恥ずかしいことだ。首相と一緒に福井氏もお辞めになるべきだ」と迫りました。首相は、「大門さんの意見とは違う」とのべただけで責任を回避しました。


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