2006年6月14日(水)「しんぶん赤旗」
官民交流法案を可決
吉川議員反対 「大企業利益に利用」
参院総務委
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民間企業社員が退職しなくても公務員として採用できるようにする官民交流法案が十三日の参院総務委員会で自民、公明、民主、社民各党の賛成多数で可決しました。
日本共産党の吉川春子議員は反対討論に立ち、企業の労働者の身分を維持して公務員になるのは「全体の奉仕者」の役割が果たせず憲法一五条に抵触すると指摘。政府の計画や方針など派遣元企業の業務に役立つ情報が得られる企業に都合のいい制度だと批判しました。
採決に先立つ質疑で吉川氏は、官民交流制度が大企業の利益を上げるため使われている例として、生田正治日本郵政公社社長の出身である商船三井がパナマ日本大使館や日本郵政公社に社員を送り、対外経済や物流の情報収集をしていることをあげ、「海外勤務は一人年間一千万円以上かかる。税金を使って大企業サービスをする必要があるのか」と追及しました。
さらに業務停止命令を受けた三井住友銀行や損保ジャパンの社員を公務員に採用したとして不祥事を起こす企業との人事交流停止を求めました。
竹中平蔵総務相は民間社員の大使館などの採用が「固定化するのは好ましくない」と答弁。人事院の谷公士総裁は問題を起こした企業の社員について「派遣元の事情を理由に退職させるのは適当でない」とのべました。