2006年6月6日(火)「しんぶん赤旗」

所得格差が拡大

財務省研究所


 財務省の財務総合研究所は五日、「日本の経済格差とその政策対応に関する報告書」を公表しました。同報告書のリポートによると、一九九〇年から九六年までほぼ横ばいで推移していたジニ係数が九六年以降上昇に転じ、格差が拡大していることが分かりました。

 リポートは、報告書の作成に参加した大石亜希子千葉大法経学部助教授がまとめたもので、ジニ係数の値は、厚生労働省の所得再配分調査をもとに大石氏が推計。九九年(当初所得、原データ)の〇・四八二から二〇〇二年には〇・五一四と上昇しています。

 同リポートは、格差拡大の背景に「人口高齢化や、単身あるいは夫婦のみの世帯増加といった人口・世帯構造変化が大きく影響している」と指摘しました。

 また、税の再配分効果が「高齢者で大幅に低下し、中年層でも低下が認められた」と分析。さらに「子どもの貧困率が上昇している」と指摘しました。


 ジニ係数 所得や資産の格差の広がり具合を表す際に用いられる指標で、イタリアの数理統計学者ジニが一九三二年に考案した指数です。ジニ係数は、〇から一までの値をとり、〇に近いほど所得格差が小さく、一に近いほど所得格差が大きいことを示しています。


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