2006年6月3日(土)「しんぶん赤旗」
経済的理由で退学285人
授業料滞納1校に8人 私立高212校を調査
全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)は、「二〇〇五年度経済的理由での退学生調査」の結果を二日発表しました。調査には二百十二の私立高等学校(生徒数十七万九千六百三十人)、六十五の私立中学校(同二万七千二百人)が回答。私立高校では、一校あたり約八人が授業料を滞納し、退学になる人もいることが分かりました。
経済的理由で学校を退学(除籍)になった生徒は、高校で二百八十五人、中学で八人いました。授業料を一カ月以上滞納している生徒は高校で千三百八十九人(一校あたり七・八五人)となっています。
滞納・退学に至るまでの家庭の事情(自由記述)には、(1)自営業不振や倒産(2)リストラ・解雇・失職(3)母子・父子家庭―などがあります。「ボーナスが全廃。退職金を前借りするので待ってほしい」「学費の半分を自分で稼いでいたが弟を進学させるため働くことになった」などの事例が寄せられています。
調査結果について、全国私教連は「低所得の人々にとっては生きにくい社会になっている」とし「私学といえども公教育。全額公費で無償教育を補償し、教育を受ける権利を保障することが経済的格差のなかでセーフティーネットになるのでは」としています。