2006年6月3日(土)「しんぶん赤旗」

“教育基本法は占領の残りかす”

安倍氏、発言改めず

笠井議員批判


 日本共産党の笠井亮議員は二日の衆院教育基本法特別委員会で、安倍晋三官房長官の教育基本法についての認識をただしました。安倍氏は幹事長代理時代のインタビュー(「自由民主」二〇〇五年一月四・十一日合併号)で、「占領時代の残滓(ざんし=残りかす)を払拭(ふっしょく)することが必要です」と教育基本法改悪を主張していました。

 さらに、安倍氏も寄稿している清和政策研究会(自民党・森派)の『教育基本法改正へ5つの提言』では、「教育勅語が謳(うた)いあげている『目指すべき教育のあり方』が、けっして間違ったものではなかった」と書かれています。

 笠井氏はこうした事実を示し、「基本法制定当時の経過や世界を見ても通用しない驚くべき認識だ」と追及。安倍官房長官は「制定当時に日本が占領下にあって影響を受けたのは事実。戦後六十年の社会状況を踏まえて今回教育基本法を改正すると判断した」と述べ、自身の発言を改めませんでした。

 また笠井氏は、憲法と教育のかかわりにふれた現行法の前文の文章「われらは、さきに、日本国憲法を確定し…この理想の実現は、根本において教育の力に待つべきものである」をなぜ削ったのかと追及しました。小坂憲次文部科学相は政府案の「この理想を実現するため…教育を推進する」をあげて、「引き続きこの理想を継承している」と答弁しました。笠井氏は「そこは憲法の理想を指していない。全然違う」「憲法九条を変える動きと一体のものと言わざるを得ない」と批判しました。


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